板金とは、薄くて平たく形成された金属のことで、それを加工して使うことです。
屋根の板金は、主にスレート系の屋根を止めている金属部分のことを指します。屋根の面と面が合わさる接合部分を板金で覆い、雨水の侵入を防いだり、各屋根材を繋ぎ留めたりします。
1 棟板金
屋根材の接地面に取り付ける板金を棟板金と言います。屋根材の接地部分はどうしても隙間ができてしまうため、棟板金を取り付けることで雨水の侵入を防ぎます。また屋根材を固定する目的もあります。
2 谷樋
屋根にある谷の部分に設置する板金で作られた樋のことです。同じ方向に勾配している二つの屋根の先端部分が合わさるところにできる溝の部分を谷といい、そこに屋根面を流れる雨水を集め、地上に流すための樋を設置します。
3 水切り金具
屋根の水切り金具は、主にケラバに施工されています。ケラバとは、雨樋がない部分の屋根端のことです。水切り金具はケラバを覆う板金のことを言い、屋根材から流される雨水を浸み込みから防ぎ、下方に流しています。
4 ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板とは、アメリカの会社が開発したアルミニウム・亜鉛・シリコンの3つの材料で形成された鋼板のことです。その特徴は「耐久性」「防食性」「耐熱性」「加工性」などが、他の鋼板より大きく優れている事です。
5 トタン屋根
トタンとは、鋼板に亜鉛をメッキしたものをいいます。一番の特徴は「防食性」です。亜鉛は鋼板(≒鉄)よりも酸化しやすいので、鋼板の腐食を防ぎます。たとえ、キズが付いて鋼板が露出しても酸化作用で腐食を抑えることができるのです。
瓦棒とは、金属系屋根材で施工される屋根・縦葺きの一つです。瓦棒で葺かれた屋根を瓦棒葺き、その屋根を指して瓦棒屋根と呼びます。値段も安く、かつ傾斜が緩い屋根でも葺くことができる特徴があります。
しかし、現在瓦棒葺きは段々廃れてきています。その代わりに、瓦棒葺き屋根を進化させた類似の金属屋根材が流行り出しています。それが「立平葺き(たてひらぶき)」と呼ばれるものです。
1 雨漏りに強い
つなぎ目が少ないため、雨漏りに強いことが特徴です。
2 加工性に優れる
加工性に優れ、あらゆる形の屋根に対応する事ができます。
3 スピーティーな施工
施工方法がシンプルで工事がしやすいため、日数もそこまでかかりません。
4 軽量で耐震性に優れている
日本瓦の1/10の重さで軽量です。そのため、耐震性に優れています。
5 工事費用が安い
新築や改修を含め、工事価格が最も安い屋根の一つです。
6 緩勾配での施工が可能
日本瓦やスレート瓦よりも緩勾配で施工ができます。2寸勾配で葺かれることが多く、比較的他の屋根より安全にのぼれます。
1 カバー工法ができる
既存の屋根がコロニアル屋根の場合、立平葺きによるカバー工法ができます。
2 工期が短い
立平葺きは他の屋根材と比べて、短時間で工事ができます。面積のある大型屋根やシンプルな切妻屋根では特に有効です。
3 ドーム型に加工できる
ドーム型(曲線型/R型/アーチ型)の屋根で使用することができます。
4 緩勾配で葺くことができる
屋根の勾配は急であるほど水はけが良くなるため、屋根材が劣化するスピードが遅れ、雨漏りも発生しにくくなります。一般的な屋根は最低でも2寸の勾配が求められていますが、立平葺きは0.2寸や0.5寸などの緩勾配に対応した製品が販売されています。屋根勾配が原因で雨漏りが発生する住宅の改修工事に立平葺きは有効です。
5 軽量で耐震性に優れている
立平葺きの重量は㎡当たり4kgで、全ての屋根材の中で最も軽量です。
6 シンプルモダンな意匠性
シンプルですきっりとしたデザインが好評で、大手のハウスメーカーの標準屋根としても採用され、外壁材としても取り入れられています。
7 木材を使用しない(メンテナンス性に優れている)
瓦棒葺きと異なり、立平葺きでは垂木(たるき)を使用しません。瓦棒の垂木は雨水の浸水や湿気などの影響で腐食し、屋根全体の寿命を縮める原因になります。金属だけで構成された立平葺きはメンテナンス性にも優れています。
8 太陽光や室外機を設置できる
太陽光や室外機、バルコニーなどを屋根面に設置することができます。
ガルバリウム鋼板とは、1972年にアメリカで開発された、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%から構成されるアルミ亜鉛合金メッキ鋼板です。
アルミニウムの特徴である耐食性、加工性、耐熱性、熱反射性と、亜鉛の特徴である犠牲防食機能により、従来の鋼板よりも、さらに耐久性に優れ、あらゆる用途に対応できる画期的な鋼板です。
アルミニウムの耐食性と亜鉛の防食機能でさびを防ぐため、従来のカラー鉄板よりも格段に耐久性に優れた素材として、近年では多くの住宅の屋根や外壁に使われるようになりました。
1 錆に強い
ガルバリウム鋼板は金属で出来ているにもかかわらず、非常に錆びにくいことが特徴です。建材における錆びは、美観を大きく損なうために看過できません。その為、錆びが起こりにくいというのは金属系外装材として非常に優位性があります。
2 長期耐久性が高い
亜鉛メッキ鋼板の犠牲防食機能とアルミメッキ鋼板の長期耐久性を合わせ持つため、特に酸性雨に強く、従来の亜鉛メッキ鋼板の3~6倍長持ちします。トタンの場合だと5~10年程度だったところが、ガルバリウム鋼板の場合、10年~20年と長寿命化しています。
3 軽量で地震に強い
ガルバリウム鋼板は非常に薄い板(薄さ1~3mmほど)のため、圧倒的に軽くて丈夫です。また、軽量な屋根材ほど万一の地震時に建物の揺れを抑えることができるため、地震に強い外装材であることも特徴です。
4 高いデザイン性
薄くて着色性が高いこともガルバリウムの特徴です。その薄さからソリットな印象を持たせやすいために建築家によって多様されています。また、黒などの他の建材では実現しにくい暗色カラーが存在しており、印象的な外観を演出できます。
5 熱反射率に優れる
トタンと比較して、太陽熱の日射熱反射率が高く、特に夏季には表面温度・屋内温度を抑制することができます。
6 耐熱性が高い
メッキ層中のアルミニウム含有率が、質量比で55%、容積比で80%と高いため、アルミメッキ鋼板に近い耐熱性を持っています。